ぽこブログ

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サガエメラルドビヨンド感想(全キャラ1周、60時間プレイ)

サガシリーズの最新作「サガエメラルドビヨンド」を発売日に買ってGW中に全キャラ1周プレイしました。

 

サガシリーズらしく、良いところがそのまま悪いところになっているタイプのゲームで、100万点を付ける人と0点の人で評価は大きく分かれると思います。


僕は100万点を付ける側の人種なので、同じく100万点を付けてしまう人に向けて、大ざっぱですが個人的な感想を書く事にしました。

 


まず、1番良かったところとしては間違いなく戦闘で、個人的には今までやってきたRPGでもトップレベルに面白いです。 


独自のシステムがかなり多くて、直感的でとっつきやすい感じではないんですけれど、毎ターン頭を悩ませる要素があって、自分の目論みがうまく行った時の気持ちよさ、予想外のことが起きたときの驚きみたいなのがかなりあります。


シリーズおなじみの突然技を覚えてその場で使う「閃き」はもちろん、技をつなげて出す「連携」、連携を連続で行う「オーバードライブ」、1人で大連携する「独壇場」、脳から快楽物質が出るタイプの気持ちいい瞬間が多くてすごい楽しかったです。

▲特に独壇場はピンチを大チャンスに変える神システム

 

ゲームバランスもかなり良くて、テキトーにやってると雑魚相手でもポンポン人が倒れるんだけれど、戦闘システムがわかってくると、最初の頃はこの戦力じゃ倒せないんじゃないかなと思っていた敵が楽々倒せるくらいになっていて、理解した手応えみたいなものを感じられます。


裏を返すと、難しいこと考えずにバトルしてレベルを上げて、気持ちよく進めたい人には向いてないです。


最初にこのゲームよくわかんねーな...って顔をしながらゲーム内にあるTIPSを流し読みできるタフガイはたぶん大丈夫です。

 


キャラの育成やパーティーの構築に関してもかなり楽しくて、我流技という限定技を覚える「ヒト」、仲間を眷属にすることで自身を強化して強力なブラッド技をバンバン放てる「吸血鬼」、死ぬと新しい世代に生まれ変わって新しい技を覚える「短命種」、倒した敵の技を使える「モンスター」「魔具使い」、一度見た技をコピーして使える「クグツ」、装備したものによってステータスと技が変わる「メカ」といった多種多様な種族を使えます。

▲個人的には短命種が特に好き

種族ごとに強化の方法が異なるので、誰に何をやってもらうかでどういう育て方しようかな...みたいなワクワクがあります。

 


ストーリーは、6人5組の主人公たちが各々の目的のために17個の世界を渡り歩く...という感じなんですが、これも好みが分かれるかなと思います。  


まず、全体の作りとして、美麗ムービーとか、凝ったギミックのマップとか、隠れスポットとか、そんなものはなく、簡素なマップに紙芝居形式、TRPGみたいな感じで話は進んでいきます。

キャラのボイスはほぼないし、ダンジョンもないし、街もないし、よく言えばめんどくさくない、悪く言えば探索しがいがないって感じなのでこれも好みが分かれるポイントだと思います。


キャラのグラフィックや造形も、明らかに流行と反していて、女キャラがめっちゃかわいかったりとかは全然ないです。スタッフからのそこでは勝負しないぞという潔さを感じる一方で、性格は結構ユニークで内面に愛着湧くキャラは多かったです。

小動物やメカはめっちゃかわいいです。モグラかわいい。

 


ストーリーの中身に関しては...なかなか評価が難しいというか、全貌がわからないのではっきりした感想は書けません。

なぜ5周もしているのに、こんなにあいまいな感想なのかというと分岐がかなり豊富な上に、全体的に展開が早くあっさりしたテキストなので、キャラの気持ちや行動の理由をプレイヤーの感性で補完する部分がかなり多いからです。

この周回ではよくわからなかったけど、他の周回だと、全然違う展開になるから、見えてくるものが変わって、ちょっとわかってきた...けどまだわからないこともあるな...みたいなことが頻発しているので、それを楽しめる人は楽しいんじゃないかなと思います。ラスボスの正体はFF9の永遠の闇ばりにわかんなかったです。


随所に挟まれた細かいユーモアとかはかなりクスッとくるんですけれど、これも僕個人の感性なので本当に何とも言えないです。


いいストーリーって何なんですかね。起承転結がしっかりしてるってことなんですかね?ストーリーの話しても俺はこれが好きだが?にしかならないのでこの辺にしときます。

 


曲。音楽に対する教養が高いわけじゃないけれど、サントラ発売初日でDLするくらいには好きな曲めっちゃ多い!

ネタバレにならない範疇の曲だと、熱情の律動を彷彿とさせる「心踊らせて」が特に好き!

フィールドの曲は「歌を信じて」「帝王の風」が好き!

ネタバレになる範疇の曲はもっと好き!

おわり

 


悪いところはだいたい話しましたね。

ゲーム全体が良いところと悪いところの両面を孕んでいて、自分がRPGに何を重視しているかで、刺さるか刺さらないかが決まるかなと思います。

周回前提の作りになっているのは、個人的には世界観の奥行きを感じて毎周ワクワクするし、ほどよく育ったタイミングで区切りが挟まるのがいいなあと思うんですけれど、1周で全部わからないとイヤって気持ちもわからないでもない...。というかたぶん何周しても全部わかる作りにはなってない気がする...。


UIとかも気になるところ(トレードの出品とか装備の強化まわり)はあるんですけれど、このゲームに魅力を感じる人間はあんまり気にならないと思います。だから実質悪いところじゃないですね、たぶん。

 

 

〜おわりに〜

娯楽が多様化して、「ちょっと触っただけで面白い」「ビジュアルの良さで触れてみたくなる」コンテンツじゃないと売れないと判断されそうな世の中で、ちゃんとゲームの面白さだけで戦うぞって自信を持って勝負してきたサガの開発スタッフの姿勢が一番好きです。


これからも、新しい挑戦を続けていってほしいし、何ならサガじゃなくてもいいし、RPGじゃなくても応援したいです。


1周ごときでえらそーに語るのはおこがましい気がするので、これからも遊んでいきます。

 

 

 

 


   

〜おまけ〜

 


ここからはやった順番に各ストーリーの雑感を投げときます。

 


①御堂編

マジであっさり終わって肩透かしを喰らう。

今振り返るとサガエメ全体でいうと、戦闘的な意味でもストーリー的な意味でもチュートリアルにあたる話だった。

仲間になる種族が少ないし、育成がわかりにくい種族も仲間にならないので、育成で悩むこともあまりないが、各世界ごとに難易度の高いバトルが任意で用意されていて、これはかなり楽しめた。体験版でも最凶の精霊と戦えるようにしてくれたスタッフに感謝。

 


あまりにもあっさりストーリーが終わるので、主人公の御堂くんもドライな態度だけど好青年だなくらいしかわからなかった。仲間キャラだと、戦闘中に美声で短歌詠んでくれるコマチが好き。趣がある。

▲風情。


②ディーヴァ編

初期メンバーが6人いるが、純粋な人間が2人のバラエティに富んでてクセの強い構成(最高)。

育ち切ったブラーの装備を剥いで鳳天舞の陣の中心に置いてるさまはロマサガ2のルドン送りを彷彿とさせる。

ストーリーやキャラクターも1番好きで、プロローグからディーヴァの失意がよく伝わってきたぶん、新しい世界に行くたびにディーヴァの求める心って何なのか、ちょっと考えてしまった。

丸ころディーヴァの表情がかわいいし、そこかしこの所作から、優しい性格が伝わってきてホンマ好き。

ラスボス戦の展開と曲が最高すぎるし、倒してガッツポーズが出るくらいには強いので、クリアした手応えがあって大変満足した。

▲こういうセリフ好きなんだよね...

③アメイヤ編

魔法少女もの...なのか?これは?ネコ探してたら終わった...。

そもそものボリュームがかなり少ないし、(なんならラスボスがいなかった)ディーヴァ編の余韻に浸りながらやったせいでマジで一瞬で終わった感じしかない。

2週目はもっと真剣にやります...。

 


④シウグナス編

おもしれー男がおもしれー仲間の過去を調べながら、ついでにおもしれー存在を探すストーリー。

主人公のシウグナスの価値観がかなり独特で、何を目的にしているのか理解するのが難しいと感じたこともあったが、割と何が起きてもシウグナスが面白そうにしてくれるし、ところどころちゃんとカッコいいところもあるから楽しめた。

ミヤコ市で御堂くんの親戚の娘さんにタジタジになるところが1番好き。

初期の仲間キャラは男6人で相当むさいはずなんだけれど、全員にそれぞれ違った個性があって、誰を外すか悩んでしまった。個人的お気に入りは悲しい過去を持っているけれど、仲間想いでどこでもキレのあるラップを口ずさんでくれる戦士。というかだいたいの人こいつ面白すぎて外せないだろ。

▲ミヤコ市編、御堂くんとずっと漫才してておもろい

 

⑤ボーニー&フォルミナ編

これまでのストーリーでめっちゃうさんくさかった人が開幕で死んだり、これまで「我々」としか形容されてなかった組織の名前が初めて出てきたり、ストーリー全体の中身に近づいたような、そうでもないような...。

バトルでは、ちょっと新しいことを試してみようと思ってパーティーの4人に術を唱えさせたり、仲間になったディーヴァの技ランクを片っ端からあげようとしたり、5周目なのに一番迷走してて頭を抱えたけど、まだまだ遊び足りないことが多くて嬉しくもあった。

▲本当に何がしたいのかわからなくなってる

 

17の世界についてもいろいろ思うところはあるんですけれど、好きな世界の話は、エプイケの花の世界です。

最初は固有名詞の数の暴力で読むのめんどいくらいだったんですけれど、いざ話の終わりを迎えると祝っていいのやら、悲しんだほうがいいのやら、ちょっと複雑な、切ないような気持ちになる読後感が好きです。

▲マジで何?ってなる



エプイケノゴノアコヲ!